▼兄が遺産は俺のものだと譲らない!父の遺産は不動産だけなのですが、その不動産は1室を自宅として使用しているアパートで、父の生前は父と兄の2人暮らしでしたので、アパートの住人は父の亡くなった後は疑うことなく家賃の支払いを兄にしています。 兄も法的に遺産が全部自分のものだとは思っていないと思いますが、幸い登記をしなくてもアパートの住人が家賃を自分に支払ってくれていることと、家賃収入に依存した生活から抜け出せないでいることから、遺産分割の話し合いに応じようとはしません。 何か良い手段はありませんか? ▼解決策は2通りお兄さんが遺産分割協議に全く応じない場合、調停を申し立てるなど、裁判所を通した解決しか方法はありません。 裁判所を通した手続きをした場合でも、アパートの住人という第3者から家賃を受け取っている以上、お兄さんは積極的に裁判所の手続きに協力することは期待できません。そこで調停の申立と同時に仮の措置として保全処分を申したてる必要があります。アパートの住人に対する家賃の管理人を裁判所に選任してもらい、調停が成立するまでの間、管理人が家賃を預るという方法です。これではお兄さんも家賃が手元に入りませんので話し合いに応じるしかなくなります。 結局、お兄さんが話し合いに応じない理由は、直接家賃を得ることが出来ていることにあります。この事を逆手に取れば、裁判所を通じた手続きを経ずに解決する手段もあります。 アパートの住人は、お父様の権利を、同居していた息子であるお兄さんが受け継いでいると信じているから家賃の支払いに応じているのです。各住人に対してこの様な手紙を出すという方法もあります。 『現在遺産分割の配分方法につき協議中であり、○○(兄)が本物件の真正な家主であると決定している段階ではありません。本通知以降も家賃全額を○○(兄)へお支払いされた場合、後日他の相続人分につき改めて請求が行く可能性があります。つきましては、遺産分割につき確定した旨の通知が届くまでの間は、契約賃貸人である○○(父)名義の下記口座へご送金くださいますようお願い申し上げます。』 この通知を読んだアパートの住人は、今後もお兄さんへ家賃を支払いつづけるでしょうか。恐らくほとんどの住人は支払いをためらうことでしょう。お父様名義の口座へ入金された預金は、引き出しを行うには相続人全員の同意書が必要とされるのが銀行実務です。そうなればお兄さんも話し合いに応じるしかなくなります。 とは言っても、実際にアパートの住人にこの様な手紙を出すことは、身内の恥をさらす様なものです。実際には手紙を出す前にお兄さんにその手紙の内容を見せ、交渉の場に着かせるように話を持っていくのが賢い選択と言えます。 |
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